契約書って何が書いてあるかよくわからない。
契約書の内容について詳しく説明して欲しい。
こういった疑問に答えます。
・契約書は特約(とくやく)が重要と知っていましたか?
・きちんと内容を理解することでトラブルを防ぐことが出来ます。
不動産歴7年、宅地建物取引士のプロが解説します。
本記事の内容は以下の通りです。
・契約をする上で重要なポイントが理解できます。
納得のいく契約をして、夢のマイホーム購入に向けて一緒に勉強しましょう。
幸せなマイホームでの暮らしが未来に待ってます。
・不動産売買契約書の意味
不動産売買契約書にはどんな意味があるのでしょうか。
ひとことで説明すると、不動産を売ります・買いますという約束になります。
契約書には細い約束事が記載されます。
重要事項説明書と何が違うの?
重要事項説明書は、
土地や建物を細かく説明したものです。
契約書は、
「あなたが買おうとしている不動産は、
〇〇㎡で〇〇という土地で金額は〇〇円で・・・」
といったように、どの不動産を購入するか、
といった内容が記載されています。
また、契約書類の作成は基本的に仲介業者が行います。
売主と買主を結びつける、中立的な立場の仲介業者が作成をすることで、
フェアな内容の契約書を作成できるためです。
・構成
契約書はどのように構成されているのでしょうか。
記載されている内容は以下の通りです。
・不動産の表示(土地、建物)
・売買代金総額、手付金の額、支払日、方法
・所有権移転と引き渡しの時期
・境界の明示
・公租公課の精算
・反社会的勢力の排除
・融資利用の特約
・引き渡し前の滅失、毀損
・契約違反による解除、違約金
・契約不適合責任
・特約
ここでは記載されている項目をそれぞれ詳しく解説します。
・不動産の表示(土地、建物)
売買対象となる不動産が記載されます。
不動産はすべて、法務局で登録されている番号があります。
これを謄本(とうほん)といいます。
謄本(とうほん)なんて言葉、初めて聞いた。
よくわからないよ~!
謄本とは不動産の番号のことです。
住所と同じ意味ととらえて頂いて問題ありません。
謄本には所有者のことや、ローンの借り入れのことまで記載されているんですよ。
謄本には土地の謄本と建物の謄本があり、
それぞれ所有者、面積などが記載されています。
・売買代金総額、手付金の額、支払日、方法
売買代金と手付金の
・それぞれの額
・支払日
・方法
が契約書に記載されます。
売買代金は
・土地
・建物
・消費税
・総額
といった形で細かく記載されます。
契約時、「手付金」という形でお金を支払います。
手付金を支払う事で契約締結の証の意味があり、
額は売買代金の3%~5%程度で、売買代金の一部として充当されます。
手付金以外の代金は「残代金」として引き渡しを受ける日に
振込で支払います。
・所有権移転と引き渡しの時期
所有権は売買代金の全額を支払った時から移転し、(所有権移転の登記)
その時期は〇月〇日です。という内容が契約書に記載されます。
手付金、残代金を合わせて売買代金総額を支払う事で、
所有権が皆さんへ変わります。
所有権が移転する日、
つまり売主から皆さんへ家を引き渡される日を、
「引き渡し日」や「決済日」と呼びます。
「登記」とは、
謄本に記録することをいいます。
司法書士と呼ばれる専門分野の職種の人がいて、
その人が登記をしてくれます。
お願いする額は住宅ローンの借入額に応じて変わるので、
大体20万円~40万円です。
「引き渡し日」や「決済日」に行う所有権移転登記は、売買代金を支払って、
司法書士の先生が登記してくれることを言うのね。
・境界の明示
土地の境界がわかる資料を買主に提示します。
という内容が記載されます。
万が一物件の現地に境界が入っていない場合はきちんと明示されます。
ここからここまでが、私の家!
ってわかるようにしてくれるのね。
・公租公課の精算
公租公課というのは固定資産税の事を指します。
公租・・・国や自治体に納める税金のこと
公課・・・公共的な団体に支払う会費、負担金のこと
固定資産税は、年に一度、1月1日の所有者に課税されます。
この固定資産税は、日割り計算を行います。
所有権移転までを売主、所有権移転から12月31日分までのを買主が支払います。
きちんと日割り清算をしますので、ご安心ください。
・契約違反による解除、違約金
売主、買主は引き渡しに向けて債務(さいむ)を履行(りこう)する義務を負います。
債務を履行してくれない場合に、契約違反となります。
債務?履行?
急に難しい言葉がでてきた・・・
債務を履行するというのは、ここでは引き渡しに向けての準備の事です。
相手方が引き渡しの準備をしてくれない場合、
契約違反として違約金をや、契約の解除を求めることが出来ます。
ちなみに違約金の額は売買代金の20%となることが多いです。
・反社会的勢力の排除
反社会的勢力の排除の為の内容が記載されます。
相手方が反社会的勢力と判明した場合は、催告不要で契約を解除をすることが出来ます。
また、違約金に加えて相手方に売買代金の80%を支払います。
つまり売買代金の100%を支払うという事になりますね。
・融資利用の特約
融資利用(ゆうしりよう)の特約とは、買主を守るための特約です。
融資とは住宅ローンのことです。
住宅ローンの本審査で否決になってしまった場合、
買主は契約を解除することが出来ます。
この場合、契約違反にはならず違約金も発生しません。
住宅ローンが借りれないという事は、売買代金を支払うことが出来ないです。
売買代金が支払えない状態でも、契約をしているからお金を支払ってよ!
という事にはならないので、買主からしたら安心です。
・引き渡し前の滅失、毀損(きそん)
契約後、引き渡し前に地震で建物が損傷してしまった場合、
建物を治す義務は売主にあります。
建物が直せないくらいに損傷してしまった場合、
売主、買主は売買契約を解除することが出来るとしています。
引き渡し前に建物に何かあったら、売主さんが治してくれるのね。
だけど、引き渡しをしてもらって、引越しの前に建物に何かあったらどうすれば良いの?
その場合は火災保険でカバーできます。
火災保険は通常引き渡し日、つまり所有権がお客様に移る日から加入します。
引越し前に何かあったとしても安心ですね。
・契約不適合責任
契約不適合とは契約内容(お家の品質、内容)が目的に適合していないことをいいます。
つまり、新築を購入したのに、こんなお家じゃ納得できないよ!
という事が発見された場合に、その責任を負う必要があるということです。
消費者である皆さんが、
契約不適合責任について気にすることはあまりないです。
民法改正前は瑕疵担保責任という名前でした。
例えば、地盤沈下で家が傾いてしまったり、
雨漏りがしてしまったりした場合、
売主は契約不適合責任を負います。
・特約
特約は契約書に記載されているような基本的な条項とは違い、
具体的な約束事が記載されていることが多いです。
特約は他に記載されている内容より優先されます。
例えば、契約書の引き渡し期日が特約と異なる場合、
特約の日が引き渡しの期日となります。
特約は具体的で、大事な事が書いてあるのね。
・特約に記載された大事な文言
私が経験した中で大事だと感じた特約を紹介しておきます。
参考にしてください。
「本物件敷地内に井戸がございましたが、撤去、お祓い済です」
井戸に関しては嫌がる人は嫌がります。
契約書にもきちんと記載してあったので、購入後にトラブルにはなりませんでした。
「本物件敷地内で故〇〇氏が亡くなっています。令和〇年〇月〇日死後〇日経過した状態で発見され、検死の結果〇〇です。売主、買主は本条項を理解した上で売買契約を締結するものとします。」
このような内容は「告知事項有」とされて売りに出ることが多いので、
契約時は買主さんも納得した上で購入申し込みをします。
トラブルになる事はありませんでした。
特約は大事です。
見落とすことが無いようにして、
納得のいく物件なのか今一度確認しましょう。
・特約の注意点
特約は他の内容より優先されてしまうので注意です。
買主に不利な特約が記載されている場合、
トラブルの原因となる事があります。
・まとめ
不動産売買契約書について解説しました。
どのような内容が書いてあるか、理解できたでしょうか。
どのハウスメーカーでも、
建物の品質やクオリティは高くなってきています。
契約書の内容をある程度理解できたなら、
そこまで心配しなくても安心して暮らせます。
大事な事は意外と特約に記載されているので、
特約の内容には注意するようにしましょう。
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