新築建売の不動産取得税はいくら?軽減で0円になる条件と申告先
制度や金額は更新日時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

この記事の結論
- 建物は「(評価額−1,200万円)×3%」。床面積40〜240㎡(2026年3月31日までの取得は50〜240㎡)なら建売(新築未使用の購入)も対象で、評価額が1,200万円以下なら0円
- 土地は「評価額×1/2×3%」から、45,000円か「1㎡あたり評価額×1/2×床面積の2倍(200㎡まで)×3%」の多い方を減額。土地が床面積の2倍(200㎡まで)以内ならほぼ0円
- 税率3%と宅地の1/2は2027年3月31日までの取得が対象。申告先は税務署ではなく都道府県税事務所で、期限や書類は都道府県ごとに違う
建売を買ったら、不動産取得税がかかるって聞きました。
- 新築なら0円になるって本当?
- うちの場合、いくらかかるの?
- どこに、いつまでに申告すればいいの?
元建売ハウスメーカーの営業(約8年)として、建売を買う人がつまずきやすい不動産取得税のポイントを、2026年10月時点の制度でまとめ直しました。
先に結論です。新築の建売は、条件を満たせば、建物も土地も不動産取得税が0円になることがあります。ただし「新築なら必ず0円」ではありません。0円になるかどうかは、次の3つで決まります。
- 建物の評価額が1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)以下か
- 建物の床面積が40㎡以上240㎡以下か(2026年3月31日までの取得は50㎡以上240㎡以下)
- 土地の広さが「建物の床面積の2倍(200㎡まで)」に収まっているか
この記事では、計算のしかたを早見表と計算例で説明し、0円にならないケース、申告先と必要書類までまとめます。
不動産取得税は、国の税金ではなく都道府県の税金だよ。申告や問い合わせは税務署じゃなくて、都道府県税事務所(県税事務所など)にしてね。
この記事で分かること
- 新築建売の不動産取得税の計算式と、軽減の条件の早見表
- 建物の評価額ごとの税額の早見表
- 土地が0円になる仕組みと、かかるケースの計算例
- 0円にならないケースのチェックリスト
- 申告先・期限・必要書類と、買う前に確かめたいこと
目次
不動産取得税は、家や土地を買ったときに一度だけかかる都道府県の税金
不動産取得税は、土地や建物を買ったり建てたりしたときに、取得した人に一度だけかかる税金です。毎年かかる固定資産税とは別のものです。課税するのは都道府県で、都道府県から届く納税通知書で納めます(総務省「不動産取得税」)。
基本の計算式
基本の計算式
不動産取得税 = 課税標準(評価額) × 税率
| 項目 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 税率(本則) | 4% | — |
| 税率(住宅・土地の特例) | 3% | 2027年3月31日までの取得 |
| 宅地の課税標準の特例 | 宅地(宅地評価土地)の評価額を2分の1にして計算 | 2027年3月31日までの取得 |
出典:総務省「不動産取得税」・神奈川県「不動産取得税」・滋賀県
2027年4月1日以降に取得する場合の税率や特例は、その後の税制改正で決まります。引渡しがその時期になる人は、都道府県の最新のページで確認してください。
「評価額」は買った値段ではない
計算に使う評価額は、物件の購入価格ではありません。
- 土地:原則として、市区町村の固定資産課税台帳に登録された価格
- 新築の建物:まだ台帳に価格がないため、都道府県が調査し、国の固定資産評価基準で評価した価格
出典:神奈川県「不動産取得税」
つまり、新築の建物の評価額は、買う時点では分からないことが多いのです。「建物の価格が1,500万円だから、評価額も1,500万円」ではありません。
【早見表】新築建売の不動産取得税が軽くなる条件(2026年10月時点)
新築の住宅とその土地には、税額を大きく減らす特例があります。建売のように新築で、まだ誰も住んでいない住宅を買う場合も対象です(滋賀県)。
| 軽減の内容 | 主な条件 | |
|---|---|---|
| 建物 | 評価額から1,200万円を差し引く(認定長期優良住宅は1,300万円。2031年3月31日までに取得したもの。都道府県によっては「新築されたもの」と案内しています) | 床面積が40㎡以上240㎡以下(2026年4月1日以後の取得)。2026年3月31日までの取得は50㎡以上240㎡以下。車庫・物置などの附属の建物も床面積に含む |
| 土地 | 税額から、次の多い方を差し引く A:45,000円 B:土地1㎡あたりの評価額×1/2×建物の床面積の2倍(200㎡まで)×3% | 建物が上の条件を満たすこと。土地と建物を同じ人が取得すること。取得の時期の条件(下の表) |
出典:千葉県・滋賀県・宮城県・北海道・和歌山県(建売のような新築未使用の住宅も1,200万円の控除、認定長期優良住宅は1,300万円)。土地のBの「1/2」は、宅地の特例(2027年3月31日までの取得)によるものです。
建売(新築未使用の住宅と土地)を買うときの、土地の時期の条件
北海道の案内では、次のように書かれています。
| 住宅の状態 | 土地の減額を受ける条件 |
|---|---|
| 新築から1年以内の住宅 | 住宅が新築された日から1年以内に、住宅と土地を取得していること(同時に買う建売は、通常これに当たる) |
| 新築から1年を超えた住宅 | 自分で住むこと。そのうえで、住宅を取得した前後1年以内に土地を取得していること |
出典:北海道「新築未使用住宅とその土地」。条件の書き方は都道府県のページによって少しずつ違います。自分の物件の所在地の都道府県のページで確かめてください。
なお、土地だけを先に買って家を建てる場合は、「土地を取得してから3年以内に住宅を新築」が条件で、この3年は2031年3月31日までの取得が対象です(原則は2年。千葉県)。以前この記事で「2022年3月31日まで」と書いていた特例は、延長されています。
床面積の下限は、2026年4月1日以後の取得から「50㎡」が「40㎡」に下がったよ。小さめの家でも対象になりやすくなったんだ。
建物の税額は「(評価額−1,200万円)×3%」。評価額別の早見表
床面積の条件を満たす新築の建物は、評価額から1,200万円を差し引いて計算します。差し引いた結果がマイナスなら0円です。
建物の計算式(床面積の条件を満たす場合)
建物の不動産取得税 = (建物の評価額 − 1,200万円) × 3%
※認定長期優良住宅は1,300万円を差し引く
| 建物の評価額 | 一般の新築住宅 | 認定長期優良住宅 | 床面積の条件を満たさない場合 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 0円 | 0円 | 30万円 |
| 1,200万円 | 0円 | 0円 | 36万円 |
| 1,300万円 | 3万円 | 0円 | 39万円 |
| 1,500万円 | 9万円 | 6万円 | 45万円 |
| 1,800万円 | 18万円 | 15万円 | 54万円 |
税率3%(2027年3月31日までの取得)で計算。評価額1,500万円で軽減前45万円・軽減後9万円になる例は、群馬県のページにも載っています。
表のとおり、評価額が1,200万円を超えた分には税金がかかります。また、床面積が条件から外れると、1,200万円の控除そのものが受けられません。
土地の税額は、広さが「床面積の2倍(200㎡まで)」以内ならほぼ0円
土地の計算は少しややこしいので、順に見ていきます。
土地の計算式(新築住宅の土地の場合)
① 本来の税額 = 土地の評価額 × 1/2 × 3%
② 減額 = 次の多い方
A:45,000円
B:土地1㎡あたりの評価額 × 1/2 × 建物の床面積の2倍(200㎡まで) × 3%
土地の不動産取得税 = ① − ②(マイナスなら0円)
①と②Bを見比べると、違うのは「土地の面積」と「床面積の2倍(200㎡まで)」のところだけです。つまり、
- 土地の面積が、床面積の2倍(200㎡まで)以下 → ②Bが①以上になるので、0円
- 土地の面積が、それより広い → はみ出した面積の分だけ税金がかかる(ただし45,000円以下なら、②Aで0円)
たとえば床面積100㎡の家なら、2倍の200㎡までの土地は0円です。床面積90㎡の家なら180㎡までです。床面積が120㎡でも、2倍の240㎡ではなく上限の200㎡までで計算する点に注意してください。
計算例6つ:以前の4例を最新の制度で検算し、2例を追加
以前この記事に載せていた4つの計算例を、2026年10月時点の制度で計算し直しました。どれも結果は0円で変わりませんが、以前は「床面積120㎡×2=240㎡」で計算していたところを、上限の200㎡に直しています。あわせて、税金がかかる例を2つ追加しました。
前提:2026年4月1日以後、2027年3月31日までに、建売(新築未使用の住宅とその土地)を同時に買った場合。床面積は延べ床面積で、条件(40㎡以上240㎡以下)を満たすものとします。
ケース①:土地が広い(180㎡)・評価額が高い(6,000万円)
- 建物:評価額1,200万円、床面積120㎡ → (1,200万円−1,200万円)×3%=0円
- 土地①:6,000万円×1/2×3%=90万円
- 土地②B:(6,000万円÷180㎡)×1/2×200㎡×3%=100万円(Aの45,000円より多い)
- 土地:90万円−100万円 → 0円
ケース②:土地が広い(180㎡)・評価額が安い(1,000万円)
- 建物:評価額1,200万円、床面積120㎡ → 0円
- 土地①:1,000万円×1/2×3%=15万円
- 土地②B:(1,000万円÷180㎡)×1/2×200㎡×3%=約16.7万円
- 土地:0円
ケース③:土地が狭い(50㎡)・評価額が高い(6,000万円)
- 建物:評価額1,200万円、床面積120㎡ → 0円
- 土地①:6,000万円×1/2×3%=90万円
- 土地②B:(6,000万円÷50㎡)×1/2×200㎡×3%=360万円
- 土地:0円
ケース④:土地が狭い(50㎡)・評価額が安い(1,000万円)
- 建物:評価額1,200万円、床面積120㎡ → 0円
- 土地①:1,000万円×1/2×3%=15万円
- 土地②B:(1,000万円÷50㎡)×1/2×200㎡×3%=60万円
- 土地:0円
①〜④が0円になるのは、建物の評価額がちょうど1,200万円で、土地の面積が200㎡以下(床面積120㎡の2倍は200㎡が上限)という前提だからです。前提が変わると、次のように税金がかかります。
ケース⑤(追加):建物の評価額が1,500万円の場合
- 建物:評価額1,500万円、床面積110㎡ → (1,500万円−1,200万円)×3%=9万円
- 土地:120㎡、評価額2,400万円 → 床面積の2倍(200㎡まで)は200㎡で、土地は120㎡なので0円
- 合計:9万円
ケース⑥(追加):土地が床面積の2倍より広い場合
- 建物:評価額1,100万円、床面積95㎡ → 0円
- 土地:230㎡、評価額2,300万円(1㎡あたり10万円)
- 土地①:2,300万円×1/2×3%=34.5万円
- 土地②B:10万円×1/2×190㎡(95㎡×2)×3%=28.5万円(Aの45,000円より多い)
- 土地:34.5万円−28.5万円=6万円(はみ出した40㎡分)
- 合計:6万円
※評価額は説明のための仮の数字です。実際の評価額は都道府県や市区町村が決めます。
不動産取得税が0円にならない・かかることがあるケース(チェックリスト)
こんなときは、税金がかかることがある
- 建物の評価額が1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)を超えている
- 建物の床面積が40㎡未満、または240㎡を超えている(車庫・物置などの附属の建物も合わせて数える)
- 2026年3月31日までに取得していて、床面積が50㎡未満
- 土地の面積が「建物の床面積の2倍(200㎡まで)」より広い
- 土地と建物を取得した人が違う(例:土地は夫、建物は妻の名義)
- 新築から1年を超えた住宅を買い、自分では住まない
- 2027年4月1日以降の取得で、税率や宅地の特例が変わっている
夫婦で持分を分けて登記するときや、名義を土地と建物で分けるときは、土地の減額の条件に当てはまるかを、登記の前に都道府県税事務所に確認しておくと安心です。
申告先は都道府県税事務所。期限と必要書類は都道府県ごとに違う
申告先と期限
不動産取得税の申告や問い合わせは、物件の所在地を受け持つ都道府県税事務所(県税事務所・地域振興局の県税部など、名前は都道府県で違います)にします。税務署ではありません。
申告の期限も都道府県ごとに違います。たとえば神奈川県は「不動産を取得した日から10日以内」ですが、2023年4月1日以後の取得で登記を申請した場合は、申告はいらないとしています(神奈川県)。自分の物件の都道府県のページで確認してください。
軽減は「申告しなくても反映される」場合と「申請がいる」場合がある
- 群馬県は、新築住宅の評価額が1,200万円以下なら、納税通知書は送らないとしています(群馬県)
- 北海道は、新築未使用の住宅の納税通知書に「住宅控除適用済」と書かれていれば、住宅の軽減の申請はいらないとしています(北海道)
- 一方、軽減を受けるには申告(申請)が必要、と案内している都道府県もあります(千葉県)
つまり「通知が来ない=0円」とは、都道府県によっては言い切れません。納税通知書が届いたら、軽減が反映されているかを確かめ、反映されていなければ、書かれている問い合わせ先に連絡してください。
必要書類の例(千葉県・新築未使用の住宅を買った場合)
千葉県が挙げている主な書類(所有権移転登記の場合)
- 不動産取得税の納税通知書
- 住宅の未使用証明書
- 住宅の登記事項証明書(または登記簿謄本)
出典:千葉県。ケースによってはほかの書類が必要です。都道府県ごとに書類は違うので、事前に確認してください。
納税通知書は「登記上の住所」に届く
神奈川県は、納税通知書の送り先は、特に申告がない限り取得したときの登記上の住所で、住民票を移しても変わらないとしています(神奈川県)。登記を前の住所でしたまま引っ越した場合などは、都道府県税事務所に送り先を連絡しておきましょう。
元建売営業から:買う前・引渡しのときに確かめたい3つ
不動産取得税は、決済のときに払う諸費用とは別に、後日、納税通知書で納める税金です。引越しや家具の出費が重なる時期に「忘れていた支払い」にならないよう、次の3つを確かめておくと安心です。
- 諸費用の見積もりに、不動産取得税がどう入っているか:「0円」と書かれていたら、何を前提に0円なのか(床面積・土地の広さ)を担当者に聞いておく。建物の評価額は買う時点では分からないので、この記事の早見表で評価額が1,200万円を超えた場合も計算し、その分を取っておくと慌てずに済みます
- 床面積と土地の面積:登記事項証明書や図面で、延べ床面積(車庫・物置を含む)と土地の面積を確かめ、この記事の早見表に当てはめる
- 引渡しのときにもらう書類:未使用証明書など、軽減の申告に使う書類が必要な都道府県もあります。売主から受け取れるかを確認し、売買契約書や登記事項証明書と一緒に保管しておく
認定長期優良住宅なら、控除は1,300万円になるよ。認定通知書の写しが必要になることがあるから、引渡しのときに受け取った書類は1つのファイルにまとめておこうね。
よくある質問
建売の購入価格が4,000万円なら、不動産取得税は4,000万円をもとに計算されますか?
いいえ。計算に使うのは購入価格ではなく評価額です。土地は市区町村の台帳の価格、新築の建物は都道府県が国の基準で評価した価格で、購入価格とは別に決まります。
不動産取得税の納税通知書が来ません。0円ということですか?
評価額が1,200万円以下なら通知を送らない、としている都道府県もあります(群馬県など)。ただ、0円で送られないのか、まだ届いていないだけなのかは、通知が来ないことだけでは分かりません。気になるときは、物件の所在地の都道府県税事務所に問い合わせてください。
不動産取得税と固定資産税は何が違いますか?
不動産取得税は、取得したときに一度だけ都道府県に納める税金です。固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者が市区町村に納める税金で、新築住宅には一定期間の減額があります。固定資産税は建売購入後の固定資産税で解説しています。
住宅ローン控除と関係はありますか?
別の制度です。住宅ローン控除は国の所得税(と住民税)の控除で、確定申告や年末調整で受けます。詳しくは建売の住宅ローン控除はいくら戻る?をご覧ください。
まとめ:新築建売の不動産取得税は「評価額・床面積・土地の広さ」で決まる
- 建物は「(評価額−1,200万円)×3%」。認定長期優良住宅は1,300万円を差し引く(2031年3月31日までの取得)
- 床面積は40㎡以上240㎡以下(2026年3月31日までの取得は50㎡以上240㎡以下)。車庫・物置も含む
- 土地は、広さが建物の床面積の2倍(200㎡まで)以内なら、ほぼ0円
- 税率3%と宅地の1/2は、2027年3月31日までの取得が対象
- 申告先は都道府県税事務所。期限・必要書類・軽減が自動で反映されるかは都道府県ごとに違う
- 評価額は買う時点では分からないので、念のため納める分のお金を取っておく
購入の後にやること全体は建売を買ったらやることリスト38選、ほかの税金は住宅ローン控除・固定資産税、購入時の費用全体は建売の諸費用と登記費用で解説しています。
※制度は2026年10月時点の情報です。税額や手続きは、物件の所在地の都道府県のページや都道府県税事務所で確認してください。
公開 2021.11.17 / 更新 2026.10.22